たらたら神秘主義

本と映画と音楽と日常、できれば神秘

日記

ずっと続いていた頭痛とだるさがとれて、体調が回復すると同時に落ち込んでいた気分からも解放された。被害妄想からも。おそらく。 そうすると人々の接し方がまったく変わってきて、それはまるでぼくが昨日まで被っていた気味のわるい着ぐるみを脱ぎ捨てたと…

ひさしぶりにヴァルネラ的気分になった。と、この日記に前回書いたのが11月だった。 以来まったくこういう気分にならなかったかどうか定かではないが、ひさしぶりにヴァルネラ的状態が続いていて、 精神が弱り、全身からはおそらくマイナスオーラが発せられ…

2週間くらいまえのこと。授業中に関くんという生徒が、練り消しゴムで人差し指を作っていて、あまりに精巧なのに驚いた。 その後しばらく中島敦の「山月記」の授業を進め、ふたたび関くんの指先を見ると、上半身が人差し指で下半身が虎である異様な物体が出…

わざわざ主張することではないだろうけど、忌野清志郎が死んでもぼくの人生はほとんど影響を受けない。 角田光代が新聞で、忌野清志郎が死んで「どうしよう」と途方に暮れている、というような文章を書いているのを読んで、ほんとかあ?と思い、すぐに反省し…

ここしばらくの「トイレ本」(自宅トイレだけで読む本)は『シャーマンズボディ』(アーノルド・ミンデル著、コスモス・ライブラリー)だった。かなりあやしげな内容だけど、おもしろい。 ぼくにとって「神秘主義」とは、フィクションである。というか、世界…

めずらしく飲み会に顔を出した。 飲み会というのはたいてい大人数で、そうすると会話はたいていあたりさわりのないものになって、 ほんっとにどうでもいい、と思いながら、でも会話に積極的に入っていけない自分に憂鬱になりながら過ごすことが多かったのだ…

原因不明の肩こりが悪化して、神経痛的な、沁みるような痛みが左腕に走るようになっていたのだけれど、 それがちょっと落ち着いて、気づいたら、春が近づいているからだろうか、内側から湧き出すようなエネルギーを感じる。 ような気がする。 *『チャングム…

年末に引っ越しをした。海に近い町。昔は遊郭があったらしくて、「日本のヴェニス」と言われることもある。もちろんただ水路がたくさんあるだけで、雰囲気はヴェネチアとは似ても似つかない。でも、今のところ、気に入っている。 この前近所の美容室(おしゃ…

修学旅行の引率でフランスとイギリスに行った。 旅行全体の印象としては、生徒に対する愛情みたいなものが、以前にも増して湧いてこなくて、かなり教師不適格という感じの漠然とした不快感を持って終わったのだけれど、今回の収穫は、「モダンアート的視点」…

ひさしぶりにヴァルネラ的気分になった。 (ヴァルネラとはヴァルネラビリティーの略。大江健三郎が使っていた言葉を、もしかしたら誤用しているもの。攻撃されやすさの意味。気分が弱っていることにより全身からいじめられっこオーラが出る状態。) 要因1 …

模擬試験の監督をしながら、ティム・オブライエンの『世界のすべての七月』を読んでいた。 『本当の戦争の話をしよう』もそうだったけど、これも、じんわり心に届くいい小説だ。 大学の同窓会に集まってきた50代の人々の、現在と過去を交互に描いた作品。 …

ここ1週間ほど仕事が忙しくて、退勤時刻も遅くなりがちだった。具体的に忙しくなる理由が見当たらないのに、仕事の忙しい時とそうでないの時の波があるのは不思議だ。だけど今日はいつのまにか忙しさの波が引いていってしまったようだった。少しでも隙がで…

8月は比較的余裕があったので、彫刻を始めた。 中学だか高校だかの教科書で、高村光太郎のナマズの彫刻を見て以来、ずっと潜在的に木彫をしたいと思っていたことに気づいたのだ。 書道教師の同僚が、木にも刃物にも彫刻にも詳しくて、いろいろ教わりながら…

iPodが壊れてしまい、さっき修理を依頼した。 二度目である。 この前は、ネット上で修理を依頼した翌日には宅急便の人が回収に来てくれ、1週間ほどで修理が終わると送り届けてくれた。 とてもスマートなシステムが出来上がっていて、感心した。 カーナビも…

帰宅したのが明け方だったので、今日は一日中眠っていた。 夕方に目を覚まして洗車場に行って車を洗い、ワックスを塗る段になったら雨が降ってきた。 洗車場を管理しているおじさんがやってきて「雨がふってきちゃったな」と話しかけてくる。この人はぼくが…

今日の夕方は、かなり「うんざり」していた。 原因は自分の無能さだとか、劣等感だとか、まあそんな感じのことなんだけれど、 「仕事をすること自体に、もううんざりした。他の選択肢、ないかな」などと同僚に愚痴を言っていたら、 「他に何ができる?」と言…

先日、叔母の葬式で、久しぶりに宗ちゃんに会った。宗ちゃんはおそらく60代、スキンヘッドのおじさんで、親戚のみんなが「宗ちゃん」と呼ぶからここでもそう呼ぶけれど、実際ぼくがどう呼びかければいいのかは分からないでいる。 宗ちゃんは変人である。最…

ひと月くらい前だろうか。夕方、家の近所を散歩した。 なんでもない住宅地をちょっと西に逸れたら、何かが変わった。 あたりが急にしずかになって、鳥の声が妙に鮮明に聞こえる。どこかの家で奥さんが誰かに怒っている声が、筒抜けになって空間に響いている…

ある金持ちの変態男の話

ある女性が昔からの友達に求婚されているという。周りの友達も結婚しちゃいなよと勧めるその男性は、金持ちだし、性格も悪くない。ただし太っていて、しかも変態ではある。 彼のマンションで催されるパーティーでは、招かれた女性達が、クローゼットにずらり…

ぼくよりも年上の詩人二人と同人誌を作ることになり、3人で「読書会」を行った。題材は『小池昌代詩集』(思潮社)。場所はつくば市の「アストロ・ラウンジ」。読書会でいろいろ話していたら、書くということについて刺激を受けたので、しばらくぶりにブロ…

「風邪を引いても人生観は変わる。人生観とは風邪の一症状である」 というのは誰の言葉だったろう。 別に風邪を引いているわけではなくて、むしろ長く引いていた風邪がやっと治ってすっきりしているのだが、 たとえば身体の血の巡りが悪いというだけでなんだ…

しばらく精神的に落ち込んでいたような気がする。 自分のことなのに「気がする」というのも変だけど、なんだか久しぶりに精神状態が安定しているようなので、 おそらくずっと心の底の方で落ち込んでいたのだ。 今日はまだ職場が開錠されていないくらい早く職…

職員室を出て廊下の向こうを見ると、 遠くの渡り廊下を同僚の女教師がおもいっきり走り過ぎる姿が見えた。 一瞬の出来事で、ちょっと目を疑うくらい速かったので笑ってしまった。 で、その廊下と平行している廊下をぼくも全速力で走った。 そのときぼくはサ…

試験範囲が終わっていたので2時間目の授業は自習にした。 ひとりの生徒の机にあった本が目にとまった。手にとって見ていたら、読み途中らしくて、ここが良いのだと文章を示してくれた。 なんか、哲学めいたことが書いてある。 鈴木剛介という人の『THE ANSW…

貴重な休日。11時から3時くらいまで眠ってしまった。 起きるとすでに光が夕方じみていて、悲しくなった。 だけど、ときどき意識を浮上させながら怠惰に眠りつづけているときの背徳的なまでの心地よさは、他には代えがたい。 その時間が純粋にその時間だけで…

ドラマ『LOST』にはまっている。 今日はシーズン1の6巻を借りるはずだったのだけど、すべて借りられていて、ほんとうにがっかりした。6巻をとばして7、8巻を見てやろうかと一瞬思うけど、やめた。 無人島に飛行機が墜落し、生き残った43名が島で…

教壇に立って試験監督をしていると、午前中は晴れていた外の景色がいつのまにか黒っぽくなっていて、よく見ると雨が降っていた。二階の窓から見える外の木々が風に吹かれて大きく揺れ、そこに、もったいないくらいの勢いで雨が降り注いでいる。木々の向こう…

社会生活を送ることは、それだけでかなりのストレスである。 今日は勤め先の高校で「辞令交付式」というものが催され、「儀式」というのはそれだけでこっけいだなあ(注1)と思いつつも、昨日おとといとのんきに過ごしていたせいか、かなり疲れた。 でも、…

映画『珈琲時光』

一青窈はすばらしい。人間として。 というほど何もしらないのだけど、テレビに出ている一青窈を見ると、なぜかこの人はすばらしい人だと思えてくる。 そして、ぼくも良く生きよう!という気持ちが湧き上がってくる。 良く生きるとは、道徳的に生きるというこ…

昨日はひさしぶりに「ひきこもり寝」をした。 「ひきこもり寝」はただ眠るのとは違う。肉体が求めるのではなく、精神が求める睡眠、という感じ。 つまりは昼寝なんだけど、すべての昼寝が「ひきこもり寝」というわけではない。 ときどきこれをやらないと、自…