たらたら神秘主義

本と映画と音楽と日常、できれば神秘

考える

文明的生き方と野性的生き方

雨ふる日曜日の午前中、カフェにきている。むさしの森珈琲。 最近、文明的生き方と野性的生き方のことをよく考える。文明化された環境のなかでぬくぬくと生きることが、生きることの手応えを失わせているのではないかというような意見は、まっとうに思われる…

 人生で望むものは?

人生で望むものは? 金か 人々の尊敬か? 君の望みは何だ?そいつを本気で考えてみろ 『さよなら、僕のマンハッタン』という映画のなかで、アパートに越してきた謎めいた隣人が、若い主人公にそんなふうに尋ねる。 What do you want.In your life.You want m…

文学作品の言葉がおもしろいかどうかは

すでに固定してしまった考え方や知識を表明するおじさんの言葉はつまらないという話の続き。 固定していないということは、他者(他の人だけでなく、広くとらえれば世界ということ)ときちんと関わっているということだ。 固定してしまうものを「概念」とい…

おじさんの話がつまらないのはなぜかということ

今日、自由の森学園という私立中学・高校の公開教育研究会というのに行ってきた。 たいへん面白かったのだけど、そのなかで教えられたこと。 公開教育研究会の「テーマ別分科会」も「教科別分科会」も、中学生や高校生と大人たち(先生も保護者も大学生も一…

めずらしく神秘についてまじめに

ブログに神秘主義というタイトルをつけたくせに神秘についてほとんど書いてない。 神秘というほど、かっこいい生き方をしてないから、たらたらをつけたわけではあるけど。 いつも人生の本質というか、世界の本質みたいなものに関心があった。 ほとんどのこと…

バス釣りを考える。

バス釣りにハマって1年以上が経った。 ずっと書物とか精神世界みたいなものに関心があったのに急にアウトドアであるわけなのだけど、自分の中ではつながっているので、 そのあたりを考えてみたい。 昔から自然と向き合うことの重要性は感じていた。 わずか…

引っ越した

三月末に引っ越した。 一軒家からアパートに移ることになり、引っ越しの前後で膨大な物を捨てた。 捨てることの重要性は世の中でも言われ尽くしているが、ほんとうに、考え方の転換を必要とした。 持つ者、ではなく、持たざる者が優位となる社会というのは、…

以前知り合いにもらった現代詩の朗読CDをときどき聞く。『やさしい現代詩』という本に付いてたCDで、谷川俊太郎に始まり、いろいろな詩人が自作を朗読しているのだけど、それを聞きながら、いろんなことを考える。1.「いい女」の声というものがある。 …

賞味期限というものを信用しないのには理由があって、 自分の味覚が世間一般のひとと同じだとはとうてい思えないからだ。 賞味期限とは別に消費期限というのもあって、これは、「この日付をすぎると、腹をこわすかもよ」という意味だろう。 その場合も、自分…

インターネット上にある津波の映像をたくさん見た。どうして好きこのんでそんなものを見ているのかと考えてみると、津波というものに目が吸い寄せられて、それに魅せられているのだと気づく。 以前、はじめて本格的な登山をしたときに、巨大な山のなかで道に…

震災をきっかけについて、いろいろ、考えたような考えないような、でも脳が考えようとする感じ、だけはある。まとまらないままに何とか書こうとすれば、そのひとつは、危機において人間の本性が現れるとするなら、ぼくはその検証に耐えられるほどの「正しさ…

「病気」は実在しない。 あくまでも人間が「病気」と名付けるかどうかの問題でしかない。 たとえば「妊娠」は激しい吐き気などの苦痛をともなうし、場合によっては死に至ることもあるが、病気とはみなされない。 しかし、「風邪」は病気とみなされる。 何が…

同僚から、伊藤博文がドイツにいったときの話を聞いた。ドイツ人から、法律についておまえに教える前にまずおまえの国の歴史を教えろと言われて、伊藤博文ははた、と気付いた。我々日本人は、共有できる歴史というものを持っていない、と。という話。興味深…

映画『クレーマークレーマー』

映画『クレーマークレーマー』を見た。これもツタヤ100円レンタル。古典的作品を馬鹿にしてはいけない、と思った。「泣かせる」ために作っている映画とは志が違う。結局、その表現が優れているかどうかというのは、単に他者から受け入れられることをねらうだ…

生活の中には地味ながらもボディーブローのようにじわじわと効いてくるつらいことがあるもので、つきつめていけば自分の価値を疑ってしまうようなそういう出来事を重ねて、完璧ではないけれどもまあ味わいのある人生というものを作っていくのが大人というも…

ミランダ・ジュライ

最近みた映画について点数をつけていて『君とぼくの虹色の世界』という映画のことを思い出し、そこに出てくる、むちゃくちゃ生々しい存在の女の人=主人公役=監督=現代芸術家らしい=ミランダ・ジュライという存在について、妙に気になる、と思い始めた。…

ここに何か書くたびにひきこもり欲のことを書いているけど、秋から冬にかけての今頃のひきこもり欲は本物、という感じがする。昨日、今日と、惰眠をむさぼりながら、このまま社会に復帰しなくてもよかったらどんなにいいか、と思っていた。 たとえば働き方の…

仕事ばかりしていると、思考が効率の良さだけを求めて固定化してしまう感じがして不愉快だ、と思っていたけど、 思考がそんなふうに貧しくなるのは、別に仕事について考えているから、ではないのではないか、と気づいた(気がする)。 問題は、「何について…

「愛」という言葉のうさんくささと、でも一方でやっぱり重要かもしれないと思ってしまうのはなぜか、について考えてみる。 まず、前提となるのは、このわけのわからない「人生ゲーム」の上でゴチャゴチャとなんだかんだと動き回って、 けっきょくこの「人生…

いつもながらに社会生活はつらい。気を張って生きなければならないからだ。 気を張るのは、自分を自分以上に見せようとするからだろう。 あるいは、失敗をしたらまずいからだ。 どちらにしても関係しているのは、プライドだと思う。 プライドとは自分の価値…

「知らない町を歩いてみたい どこか遠くへ行きたい」という歌の作詞は永六輔のようで、永六輔もなんだかわざとらしくて好きではないけれど、この歌をテーマにした旅番組(今もやっているのか知らない)も、旅人して出演する昔売れた俳優みたいな人の生活感に…

今日、生徒と話していて、その女子生徒がいい女の例として挙げた女子が、「いかにもいい女」としての外観を装っている女だったので、がっかりした。 そういうことはよくある。 第一に、そういう女は、うまくごまかしているだけで、たいていそんなに美人でも…

わざわざ主張することではないだろうけど、忌野清志郎が死んでもぼくの人生はほとんど影響を受けない。 角田光代が新聞で、忌野清志郎が死んで「どうしよう」と途方に暮れている、というような文章を書いているのを読んで、ほんとかあ?と思い、すぐに反省し…

アメリカのテレビドラマ『ツイン・ピークス』が放送されたのは1990年から1991年らしいから、もう20年近く前の作品になる。それを今さら見た。 日本でもブームになったのは覚えていて、ローラ・パーマーという一人の少女の殺人事件に端を発してツイン・ピーク…

原因不明の肩こりが悪化して、神経痛的な、沁みるような痛みが左腕に走るようになっていたのだけれど、 それがちょっと落ち着いて、気づいたら、春が近づいているからだろうか、内側から湧き出すようなエネルギーを感じる。 ような気がする。 *『チャングム…

しばらく前からずっと、「言葉」と「現実の流動性」について考えている。 なにか(たとえば気持ち)を言葉で表してしまうと、 その次の瞬間に現実(たとえば気持ち)は変化してしまったりするのに、 言葉はそのままで、その言葉にしばられて、 まるで言葉と…

ひさしぶりにヴァルネラ的気分になった。 (ヴァルネラとはヴァルネラビリティーの略。大江健三郎が使っていた言葉を、もしかしたら誤用しているもの。攻撃されやすさの意味。気分が弱っていることにより全身からいじめられっこオーラが出る状態。) 要因1 …

映画『潜水服は蝶の夢を見る』

ユーモアというのは、単なる笑いのことではなくて、生きる姿勢のことである。 実話をもとにしたフランス映画。雑誌『ELLE』の編集長をしていた主人公が、突然脳卒中かなにかで意識を失い、目覚めると、全身麻痺の状態になっていた。世界とつながっている唯一…

8月は比較的余裕があったので、彫刻を始めた。 中学だか高校だかの教科書で、高村光太郎のナマズの彫刻を見て以来、ずっと潜在的に木彫をしたいと思っていたことに気づいたのだ。 書道教師の同僚が、木にも刃物にも彫刻にも詳しくて、いろいろ教わりながら…

帰宅したのが明け方だったので、今日は一日中眠っていた。 夕方に目を覚まして洗車場に行って車を洗い、ワックスを塗る段になったら雨が降ってきた。 洗車場を管理しているおじさんがやってきて「雨がふってきちゃったな」と話しかけてくる。この人はぼくが…