たらたら神秘主義

本と映画と音楽と日常、できれば神秘

2010-01-01から1年間の記事一覧

ひさしぶりにサガンを読んだ。 以前個人的にサガンブームがやってきたときにブックオフとかで新潮文庫のサガン作品を集めておいたのが、役に立った。 20冊以上ある文庫本のなかでどれを読んでどれを読んでいないのかよく分からないものもあるのだが、 『冷…

ドラマ『マッドメン』

久しぶりにここに書く。3月以来だから8ヶ月ぶり。 通勤途中にいろいろと海外ドラマも見てきたけど、 『マッドメン』というアメリカのドラマは群を抜いてすばらしい。 『24』みたいなストーリー重視のドラマは、見ているうちに突然どうでもよくなってしま…

映画『グラン・トリノ』

クリント・イーストウッドが監督する映画はいろいろ見てきた。それぞれかっこいい映画で、すごい才能だと思うのだけれど、なんだか職人芸を見ているような感じで、個人的にはものたりなかった。 でも、この映画の繊細なうえに大胆という感じの作りかたがむち…

「病気」は実在しない。 あくまでも人間が「病気」と名付けるかどうかの問題でしかない。 たとえば「妊娠」は激しい吐き気などの苦痛をともなうし、場合によっては死に至ることもあるが、病気とはみなされない。 しかし、「風邪」は病気とみなされる。 何が…

映画『時をかける少女』(アニメ)

アニメ『時をかける少女』を観た。 監督の細田守という人の才能がビシビシ伝わってくる出来だった。何よりも感傷的でないのがいい。一瞬一瞬がキュートである。かなりかっこいい映画。 このまえは新海誠のアニメを何本か観て、あれはあれで才能だとはもちろ…

映画『ピアニスト』

映画『ピアニスト』を観た。 『ファニーゲーム』のミヒャエル・ハネケ監督なのだけれど、題名の印象からきれいめの内容に方向性を変えたのかと思って見始めた。でも、違った。こういう作風の人なのだな。 これも不協和音を感じる映画で、エロに向かわない変…

本谷有希子の『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』(講談社文庫)を読んだ。 すごい熱気を感じる。解説で高橋源一郎が「絶望感」という言葉でこの小説を説明している。「…そして、『真実』に直面したものが、必ずそうなるように、彼らは、もっとも深い絶望に…

映画『オール・ドボーイ』

映画『オール・ドボーイ』を見た。 カンヌ映画祭で審査員特別グランプリを受賞したときに、審査員のタランティーノが激賞してたのを覚えている。 たしかにタランティーノの映画と方向性が似ている。 両方に共通するかっこよさは、「マンガ的」ということだ。…

ヘミングウェイ『移動祝祭日』

ヘミングウェイ『移動祝祭日』を読んでいる。 最後のほうにフィッツジェラルドについて書かれた章がある。おもしろい。ゴシップ的な興味はもちろんだけど、ヘミングウェイの作品を読むときだけに感じる特別な充実感がある。この感じはどこから来るのだろう?…

映画『ファニー・ゲーム』を見た。 「ショックのあまり席を立つ人が続出の問題作」らしい。 もちろん嫌な気分になったけど、でもすごい。単なる悪趣味なだけでは作れない。スプラッター場面なんてない。 もっと精神的にやばい。 ジャック ケッチャムの小説『…

ラブラブラブ ある日恋人と電話で話していると 頭の中から 何かがでてきた 耳くそかと思ったけどその瞬間 恋人のことが何で好きなのか 分からなくなっていた 床に落ちた直径5ミリほどの灰褐色の玉を 猫が食べてしまった その週末に恋人と待ち合わせて 電車…

同僚から、伊藤博文がドイツにいったときの話を聞いた。ドイツ人から、法律についておまえに教える前にまずおまえの国の歴史を教えろと言われて、伊藤博文ははた、と気付いた。我々日本人は、共有できる歴史というものを持っていない、と。という話。興味深…

島薗進『新新宗教と宗教ブーム』(岩波ブックレット)をぱらぱら読んでいる。 具体的かつ一貫して客観的な記述。新新宗教の肩を持つわけでもないけど、それらの宗教にのめり込む人の心情について、簡潔ながらも説明しようとしている。 ぼくは無信仰だけど、…

映画『クレーマークレーマー』

映画『クレーマークレーマー』を見た。これもツタヤ100円レンタル。古典的作品を馬鹿にしてはいけない、と思った。「泣かせる」ために作っている映画とは志が違う。結局、その表現が優れているかどうかというのは、単に他者から受け入れられることをねらうだ…

せっかくの休日なのに、充実したことは何もせずにむなしく過ごした。 ツイッターには、クライアントと言われるソフトがいろいろあって、いろんなのをダウンロードしてごちゃごちゃいじっていたら、あっというまに時間が過ぎて、まあ夢中になっていると言えば…

生活の中には地味ながらもボディーブローのようにじわじわと効いてくるつらいことがあるもので、つきつめていけば自分の価値を疑ってしまうようなそういう出来事を重ねて、完璧ではないけれどもまあ味わいのある人生というものを作っていくのが大人というも…

映画『新選組始末記』

実は「新撰組」物は、読むのも見るのも初めてで、以前からぼくは、人々がその歴史=物語のどこに惹かれるのかよく分からないと思っていた。 で、新撰組物の小説と映画に触れてみて、今の段階でいえば、その魅力はやっぱりよく分からない。原因は、おそらくこ…

これもヴィレッジヴァンガードで買った。エイリアンのデザインで有名な画家の画集。 エイリアンが流行っていたころは、単に「気持ちの悪い生き物を描くのがうまい人」くらいにしか思っていなかったけど、 時間が経過してから改めて絵画として見てみると、か…

今更かもしれないけど、ヴィレッジヴァンガードが楽しくて、気づくと至るところに店舗ができているから見かけるたびに入って、しかも同じ店に何度も行ってしまう。 おどろくのはそこに置いてある本のチョイスで、ときどき、「この本を薦めるなんてすごい!」…