たらたら神秘主義

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映画『ピアニスト』

映画『ピアニスト』を観た。


ファニーゲーム』のミヒャエル・ハネケ監督なのだけれど、題名の印象からきれいめの内容に方向性を変えたのかと思って見始めた。でも、違った。こういう作風の人なのだな。


これも不協和音を感じる映画で、エロに向かわない変態映画という感じ。「変態」というのは生きづらさのことであったのだと、当り前なのか当り前でないのか、思わせられる。


基本的な推進力は『ファニーゲーム』の場合と同じで、普通の映画だったら自然な流れでこうストーリーが流れるような方向をことごとく逸れる。この映画が危険なのは、変態を描いているからではなく、観る人の期待を裏切るからだと思う。


ミヒャエル・ハネケという人の写真が聖人みたいな感じなのがよけい怖い。怖い人だ。


映画を採点:★★★☆☆             ←すごい映画ではあるけど、2度観たいとは思わないので。