たらたら神秘主義

本と映画と音楽と日常、できれば神秘

2012-01-01から1年間の記事一覧

映画『ブルーバレンタイン』

久しぶりにすごい映画を観た。 といっても、DVDで、しかも事情があってまだ最後まで観ていないのだけど。 最初の10分くらいですでにただものではないと感じた。でも、この映画の良さを言葉にするのは難しい。すごい映画なのは確かなのだけれど、いったいど…

以前知り合いにもらった現代詩の朗読CDをときどき聞く。『やさしい現代詩』という本に付いてたCDで、谷川俊太郎に始まり、いろいろな詩人が自作を朗読しているのだけど、それを聞きながら、いろんなことを考える。1.「いい女」の声というものがある。 …

柴崎友香は、保坂和志が褒めていた『きょうのできごと』がぴんとこなくてその後読んでいなかったのだけど、 『わたしがいなかった街で』について、三島賞選考のだれかの評のなかで、 「じぶんが生きていることが、たんなる偶然で、どうでもいいことだという…

たんに面白いだけではなく、「これは自分にとって特別な作家だ」と思わされる作家がいる。 読者は「この作家は自分と似ている」と思ってしまう。 サリンジャーとか、村上春樹とか。 ポイントは 1.主人公が生きづらさを抱えている。 2.しかし一方で周囲の…

タイトルのぶっきらぼうな感じにそぐわず、丁寧に書かれた上質な小説だった。 あこがれの建築家、村井俊輔の設計事務所に勤めることになった主人公が経験する仕事や恋愛、日々の暮らしが描かれる。 設計事務所で働く日々のディテールを通して書かれる建築と…

蝶を夢む 森のひらけた その場所にだけ 陽がさして ただよふ水 浮かぶ死体 ゆつくりと回転し しろい肌を ひかり 斑らにうつろふ。 あれは わたし それを どこからか見てゐる 幾億の 虫たち 鳥たち けものたちそして 木々の葉 それも わたし 一匹の蝶がまひお…

詩人のアーサー・ビナードの講演を聞いた。 なかで、詩人とコピーライターを対比していた。 どちらも言葉を操るのだが、コピーライターが不要な物を買わせるために言葉を使うのに対して、詩人は、何かに気づかせるために言葉を使う。そんなようなこと。 アー…

賞味期限というものを信用しないのには理由があって、 自分の味覚が世間一般のひとと同じだとはとうてい思えないからだ。 賞味期限とは別に消費期限というのもあって、これは、「この日付をすぎると、腹をこわすかもよ」という意味だろう。 その場合も、自分…

じぶん ぼくのクローンは二体。 本体と合わせて合計三体の「じぶん」を同時にコントロールしながら生きるのは、君たちからすると不思議なのだろうけど、慣れれば混乱することはないよ。物心がついたころには、すでにこうだから。 むしろ「じぶん」が一人だと…