たらたら神秘主義

本と映画と音楽と日常、できれば神秘

映画を採点

 人生で望むものは?

人生で望むものは? 金か 人々の尊敬か? 君の望みは何だ?そいつを本気で考えてみろ 『さよなら、僕のマンハッタン』という映画のなかで、アパートに越してきた謎めいた隣人が、若い主人公にそんなふうに尋ねる。 What do you want.In your life.You want m…

映画『ミッドナイト・イン・パリ』

風邪気味だったこともあるけど、 それ以前から、ただ生きているだけで大変、という気持ちでいて、 そういうふうだから、ここしばらく、人間にとって「理想」みたいなものがあるという、 理屈はわかるけど、気持ち、というか雰囲気を忘れていた。 今日は金曜…

映画『デス・プルーフ in グラインドハウス』

タランティーノの名前だけで観てみた。「意味がない」ということに、あまりにも開き直った映画で、びっくりした。前作『キル・ビル』はあまり楽しめなかったんだけど、これはすばらしかった。 デス・プルーフ in グラインドハウス(字幕版) クエンティン・…

映画『桐島、部活やめるってよ』

薦められて、itunesでレンタルして『桐島、部活やめるってよ』を観た。すばらしかった。 桐島、部活やめるってよ 吉田大八 Drama まず第一に、リアリズムのすばらしさだ。リアルであるということは、自然であるというよりはむしろ、とても丁寧に作りこんであ…

映画を採点 huluで最近観たもの一気に採点③

映画ブームは少し去ってしまって、ほんとうは映画なんかどうでもいい気分でもあるのだけど、せっかくだからブームが始まって以来の観たものだけは記録しておこうと思う。 あるいは映画ブームが去ったわけではなくて、ここしばらくエネルギーが枯渇してしまっ…

映画を採点 huluで最近観たもの一気に採点②

動画配信サービスhuluで最近観た映画を個人的好みによって採点、の続き。 【基準: ★☆☆☆☆……駄作 ★★☆☆☆……ふつー ★★★☆☆……おもしろかった ★★★★☆……すごくおもしろかった ★★★★★……傑作】 『キス&キル』:★★★☆☆ あほらしいけど、単純に楽しくてよかった。 彼氏と別…

映画を採点 huluで最近観たもの一気に採点

hulu という動画配信サービスに入ってしばらく経つ。 最初はアメリカのドラマばかり観ていたが、最近はひさしぶりの映画ブームだ。 視聴履歴を参考に、思い出しながら採点する。コメントは覚書き程度にして、思い入れのあるものについてはできれば別の機会に…

映画『ザ・フューチャー』

先日、出張の帰りにふと思いついて、水戸芸術館に行き、 奇跡的なタイミングで、 ミランダ・ジュライの映画『ザ・フューチャー』を観た。 以前、DVDで『君とボクの虹色の世界』という映画を観て衝撃を受け、 調べたら、現代美術作家で、この映画の脚本、…

〈あらすじへの言及あり〉 身体障害者の女の子ジョゼとの恋の話。 というと、なんかイメージしてしまうものを裏切る映画で、とてもよかった。 主人公の大学生、恒夫が倫理的な人物として描かれていないのがいい。 印象的なのが、江口徳子演じる女(どっちか…

映画『ブルーバレンタイン』

久しぶりにすごい映画を観た。 といっても、DVDで、しかも事情があってまだ最後まで観ていないのだけど。 最初の10分くらいですでにただものではないと感じた。でも、この映画の良さを言葉にするのは難しい。すごい映画なのは確かなのだけれど、いったいど…

ドラマ『マッドメン』

久しぶりにここに書く。3月以来だから8ヶ月ぶり。 通勤途中にいろいろと海外ドラマも見てきたけど、 『マッドメン』というアメリカのドラマは群を抜いてすばらしい。 『24』みたいなストーリー重視のドラマは、見ているうちに突然どうでもよくなってしま…

映画『グラン・トリノ』

クリント・イーストウッドが監督する映画はいろいろ見てきた。それぞれかっこいい映画で、すごい才能だと思うのだけれど、なんだか職人芸を見ているような感じで、個人的にはものたりなかった。 でも、この映画の繊細なうえに大胆という感じの作りかたがむち…

映画『時をかける少女』(アニメ)

アニメ『時をかける少女』を観た。 監督の細田守という人の才能がビシビシ伝わってくる出来だった。何よりも感傷的でないのがいい。一瞬一瞬がキュートである。かなりかっこいい映画。 このまえは新海誠のアニメを何本か観て、あれはあれで才能だとはもちろ…

映画『ピアニスト』

映画『ピアニスト』を観た。 『ファニーゲーム』のミヒャエル・ハネケ監督なのだけれど、題名の印象からきれいめの内容に方向性を変えたのかと思って見始めた。でも、違った。こういう作風の人なのだな。 これも不協和音を感じる映画で、エロに向かわない変…

映画『オール・ドボーイ』

映画『オール・ドボーイ』を見た。 カンヌ映画祭で審査員特別グランプリを受賞したときに、審査員のタランティーノが激賞してたのを覚えている。 たしかにタランティーノの映画と方向性が似ている。 両方に共通するかっこよさは、「マンガ的」ということだ。…

映画『ファニー・ゲーム』を見た。 「ショックのあまり席を立つ人が続出の問題作」らしい。 もちろん嫌な気分になったけど、でもすごい。単なる悪趣味なだけでは作れない。スプラッター場面なんてない。 もっと精神的にやばい。 ジャック ケッチャムの小説『…

映画『クレーマークレーマー』

映画『クレーマークレーマー』を見た。これもツタヤ100円レンタル。古典的作品を馬鹿にしてはいけない、と思った。「泣かせる」ために作っている映画とは志が違う。結局、その表現が優れているかどうかというのは、単に他者から受け入れられることをねらうだ…

映画『新選組始末記』

実は「新撰組」物は、読むのも見るのも初めてで、以前からぼくは、人々がその歴史=物語のどこに惹かれるのかよく分からないと思っていた。 で、新撰組物の小説と映画に触れてみて、今の段階でいえば、その魅力はやっぱりよく分からない。原因は、おそらくこ…

映画を採点

最近またDVDを借りて映画をみている。この1カ月でかなりたくさんみたいるけど、そのなかでも西川美和監督の『ゆれる』が群を抜いてすばらしかった。 何がよいのかは、うまく説明できない。それ以外で最近みた中でよかった映画、たとえば黒沢清の『アカル…

映画『潜水服は蝶の夢を見る』

ユーモアというのは、単なる笑いのことではなくて、生きる姿勢のことである。 実話をもとにしたフランス映画。雑誌『ELLE』の編集長をしていた主人公が、突然脳卒中かなにかで意識を失い、目覚めると、全身麻痺の状態になっていた。世界とつながっている唯一…

映画『微熱 愛と革命の日々』

ノルウェイ映画。年をとった教師が、武装革命を目指す共産主義の党に入って活動した過去を振り返る。 日本の学生運動の話と同じように、「青臭い」理想をかかげてがんばる人たちに対する興味という意味でもおもしろかった。 だけど、この映画に命を与えてい…

映画『トレインスポッティング』

パッケージを見て、このタイトルは記憶があるけど、まだ観たことがないよなあと思って借りたのだけど、始まってすぐに観たことがあるのを思い出した。 と、いうくらい記憶に残らないなら、たいした映画ではなかったのだろうと思ったら、これがかなりかっこよ…

映画を採点

『彼女の恋から分かること』……★★★☆☆☆ 『彼女を見れば分かること』の続編みたいな売り方だけど、監督は同じでも、登場人物が共通しているわけでもなく、まったく続編ではない。 10人の女性が順番に、椅子に座ったまま、自分の恋愛について語るという内容。だ…

映画『ダークナイト』

あまりに評判がいいので、『ダークナイト』を観た。 エンターテインメントとしては、すごいレベルの高さだとは思う。監督のクリストファー・ノーランというのは、ずいぶん能力のある人だなあと思ったら、『メメント』の監督だった。 でも、あきらかに『メメ…

映画を採点

『崖の上のポニョ』……★★☆☆☆☆ 美しいものは、自然にできてしまったという感じがするのに対して、失敗作というのは、無理に作ったという感じがするものだと思う。 『愛より強く』……★★★★☆☆ 『DEATH NOTE』……★☆☆☆☆☆ 劇場版。ひどい。中・高生は楽しいのかもしれ…

映画『愛より強く』

そういえば、『崖の上のポニョ』も観たんだった。でもあれは、残念ながら、★★☆☆☆。 僕が宮崎駿だったら、背筋が寒くなる出来だと感じると思う。 年齢的にエネルギーが足りないなら、別の方向性で映画を作ったらいいのに。大きなお世話だけど。 でも、観た直…

映画『終わりで始まりの4日間』

『終わりで始まりの4日間』を観た。 「若い」という感じの映画だ。悪い意味でも「若い」のだけど、いい意味での若さを評価したい気持ちになる。つまり欠点はいろいろあっても、そこにただよう野心と、「映画愛」の雰囲気に感動してしまうということだ。ザッ…

映画を採点

6月には、大量の日本映画を観たのだけど、メモしていた携帯電話が壊れ、何を観たのだか分からなくなってしまった。なんていいかげんな映画の観方だろう。というわけで7月の記録。『ブレイブストーリー』……★★☆☆☆☆ ひどいアニメ。子どもはこれでも楽しいのだ…

映画『サムサッカー』

映画『サムサッカー』を観た。すばらしい。とても誠実に作ってある映画だ。 17歳になっても指しゃぶりの癖が直らない少年が主人公。この主人公が成長していく話なのだが、主人公の指しゃぶりの癖は、映画の最後まで直らない。では、どこが成長したのか。 …

『エレファント』

ストーリーの面白さでひきつけようとする作品は、映画にしても小説にしても、本当にげんなりする。アイダホ州で起きた高校生による銃乱射事件を題材にしたこの映画の面白さは、ストーリーにはない。小説でいえば「文体」に当たるもの、画面構成とかカット割…