映画『サムサッカー』を観た。
すばらしい。とても誠実に作ってある映画だ。
17歳になっても指しゃぶりの癖が直らない少年が主人公。この主人公が成長していく話なのだが、主人公の指しゃぶりの癖は、映画の最後まで直らない。では、どこが成長したのか。
少年が世界を見る視点が変化する。それは同時に、この映画を観る者の視点の変化でもある。映画を観始めたときの登場人物たちはどこにもある平凡な人物たちだ。だけど、けっして長くはないこの映画を通じて、ほぼすべての登場人物たちが、それぞれの人生をかかえた奥行きをもった人物として立体化してくる。それが、この少年の成長の証であり、その成長を共有できることがこの映画を観ることの幸福である。
映画を採点:『サムサッカー』……★★★★★☆
《観た映画を6段階の★で評価》
★☆☆☆☆☆……駄作
★★☆☆☆☆……ふつー
★★★☆☆☆……おもしろかった
★★★★☆☆……すごくおもしろかった
★★★★★☆……傑作
★★★★★★……傑作! 自分にとって特別な作品