パッケージを見て、このタイトルは記憶があるけど、まだ観たことがないよなあと思って借りたのだけど、始まってすぐに観たことがあるのを思い出した。
と、いうくらい記憶に残らないなら、たいした映画ではなかったのだろうと思ったら、これがかなりかっこよくて、傑作の風格を感じる映画なのだ。
エジンバラ(スコットランド)を舞台に、ヘロイン中毒の若者達の日常を描いた映画。
かっこよさの一番のポイントは、「突き抜け感」にある。ドラッグを描いた映画なんて、絶対お説教臭くなるに決まっていそうなのに、ドラッグを肯定もしなければ、否定もしない。DVDに収録されている監督のインタビューにあるように、「ドラッグの魅力も怖さも」そのままに描いている感じ。
あるいは、主人公のレントンは、人生模索中という人物なのだけど、そこに、普通の意味での倫理感なんていうどうでもいいものが、まったく介在していない感じ。
映画の画面というのは、いちいち感動させようとしていたり、お説教臭かったり、とにかく、いろいろな気持ち悪い色がついているものだけど、この映画の画面には、それがない。ところどころに出てくる笑いのシーンも、わざとらしくなくて許せる範囲だ。
『トレインスポッティング』……★★★★☆☆