たらたら神秘主義

本と映画と音楽と日常、できれば神秘

映画を採点

最近またDVDを借りて映画をみている。この1カ月でかなりたくさんみたいるけど、そのなかでも西川美和監督の『ゆれる』が群を抜いてすばらしかった。


何がよいのかは、うまく説明できない。それ以外で最近みた中でよかった映画、たとえば黒沢清の『アカルイミライ』や『トウキョウソナタ』、橋口亮輔の『ぐるりのこと』もそうだけど、目指してる方向があまり単純に見えてこない作品の方が心の深いところにしっくりくる。
これを目指しているよ! というのがはっきりしていると、何か、ばかにされている気がする。
こうすれば感動するんだろ、おまえら、というつもりだろうか。見る人をばかにしていると思う。
創る価値があるものは、自分でも何を目指しているのかが分からないものだけなのではないだろうか。


良い作品に接すると、「良く生きる」という方向性があったことを思い出す。あやうくただ「生きるために」あるいは「楽しむために」あるいは「損しないために」生きてしまうところだった!と思い知らされる。「良く生きる」と、かっこいい映画やかっこいい音楽や、とにかくそういうものを作るということは、通じていると思う。なぜかはよく分からないけど。


最近みた映画の採点。

カッコーの巣の上で』……★★★★☆☆
『マイ・サマー・オブ・ラブ』……★★★★★☆
アカルイミライ』……★★★★☆☆
『インタビュー・ウイズ・シリアスキラー』……★★☆☆☆☆
『スペース・カウボーイ』……★★☆☆☆☆
『シカゴ』……★★☆☆☆☆
『君とぼくの虹色の世界』……★★★★★☆
 これもすばらしかった! ミランダ・ジュライという監督兼主演。アメリカの作品とは思えない、奇妙さ、いとおしい気持ち悪さ、みたいなものがただよっていて、この監督と友達になりたい、と思ってしまう。
『007 カジノ・ロワイヤル』……★★★☆☆☆
『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』……★★☆☆☆☆
『007 ダイヤモンドは永遠に』……★☆☆☆☆☆
 急に「007」シリーズがみたくなって、マイブームが到来するかと思ったけど、違った。ばかばかしい。ファンの人は、そのばかばかしさも含めて好きなのだろうけど、ぼくは無理。
『ぐるりのこと』……★★★★☆☆
フェノミナン』……★★★★☆☆
トウキョウソナタ』……★★★★☆☆
男はつらいよ』……★★★☆☆☆
ほしのこえ』……★★★☆☆☆
 個人製作のアニメ。全国公開になるに際して、声優が変わったみたい。個人製作のときのヒロインの声の方がいいと思うのだけど、それが、いわゆる「アニメ声」になった。まあ、絵がいわゆる「アニメ」の女の子なのだから、それでいいのかもしれないけど。
 作品の未熟さ、青臭さが気持ち悪いけど、んー、方向性は面白い。
『ゆれる』……★★★★★☆


こうやってみてみると、「当たり」が多い。

(★☆☆☆☆☆……ひどい、★★☆☆☆☆……ふつー、★★★☆☆☆……おもしろかった、★★★★☆☆……すごくおもしろかった、★★★★★☆……傑作、★★★★★★……傑作! 自分にとって特別な作品)