たらたら神秘主義

本と映画と音楽と日常、できれば神秘

映画『愛より強く』

そういえば、『崖の上のポニョ』も観たんだった。でもあれは、残念ながら、★★☆☆☆。
僕が宮崎駿だったら、背筋が寒くなる出来だと感じると思う。
年齢的にエネルギーが足りないなら、別の方向性で映画を作ったらいいのに。大きなお世話だけど。
でも、観た直後に比べると、それほど悪い映画ではなかったような気持ちになってくるのはなぜだろう。
んー。もう一度観ると結論が出るかもしれない。少なくとも映画館ではもう一度観る気はしないけど。


『愛より強く』という、ロマンティックともとれるようなタイトルだけど、いや、もしかしたら、と思って、DVDを借りた。
(原題は『HEAD-ON』で、どういう意味か分からない。脳天直撃、みたいな感じだろうか。)


思ったとおり、「愛」という幻想を信じるわけでも、信じるふりをするわけでもなく、かといって、
「愛」(というよりもこの映画では「恋」だけど)が人間にとって重要であることは確かで、
「愛」という言葉を能天気に使うことはできなくても、「愛」なんて幻想だというのも子供っぽい話で、
本当のリアリズムというのは、結局大人のバランス感覚によってだけ成立するものではないかと思う。


といってもこの映画の監督ファティ・アキンは32歳でこれを撮ったらしい。才能だなあと思う。


性欲とか肉欲とか本能とか、そんなふうに言われるものが成り立たせているに違いないからこそ、恋は切ない、
と思わせられる。


ヒロイン役のシベル・ケキリが、すごく魅力的だ。前に『ビフォア・サンライズ』についてで書いたけど、
登場人物に恋する気持ちになれるかどうかというのは、恋愛映画においてはすごく重要なポイントだと思う。


『愛より強く』……★★★★☆☆
崖の上のポニョ』……★★☆☆☆☆


《観た映画を6段階の★で評価》
 
 ★☆☆☆☆☆……駄作

 ★★☆☆☆☆……ふつー

 ★★★☆☆☆……おもしろかった

 ★★★★☆☆……すごくおもしろかった

 ★★★★★☆……傑作

 ★★★★★★……傑作! 自分にとって特別な作品