たらたら神秘主義

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映画『微熱 愛と革命の日々』

ノルウェイ映画。年をとった教師が、武装革命を目指す共産主義の党に入って活動した過去を振り返る。


日本の学生運動の話と同じように、「青臭い」理想をかかげてがんばる人たちに対する興味という意味でもおもしろかった。
だけど、この映画に命を与えているのは、一つひとつのシーンのなまなましさだと思う。
たとえばハリウッド的なステレオタイプから逸脱したラブシーンや会話の緊張感、あるいは画面構成の工夫なんかが、この映画の「熱」を作っている。
観ていて、ちゃんと心に染みてくる感じがする。


『青い光が見えたから』というノルウェイ留学体験記を読んで以来、ぼくにとってノルウェイは少し特別な国だ。この映画を観て、頭の中のノルウェイがいっそう立体的になったという意味でもうれしい。


ちなみに、『青い光が見えたから』を読みながら、ノルウェイの学校って魅力的だよなあと思ったのだけど、この映画の冒頭、主人公である教師が、生徒が着席すると同時に、「おはよう。世界は進歩しつつあると君たちは思うかもしれないけど……」と、唐突に話し始めるのも、授業の始まりとしていい感じだった。


『微熱 愛と革命の日々』……★★★★☆☆


(★☆☆☆☆☆……駄作、★★☆☆☆☆……ふつー、★★★☆☆☆……おもしろかった、★★★★☆☆……すごくおもしろかった、★★★★★☆……傑作、★★★★★★……傑作! 自分にとって特別な作品)