たらたら神秘主義

本と映画と音楽と日常、できれば神秘

原因不明の肩こりが悪化して、神経痛的な、沁みるような痛みが左腕に走るようになっていたのだけれど、
それがちょっと落ち着いて、気づいたら、春が近づいているからだろうか、内側から湧き出すようなエネルギーを感じる。
ような気がする。

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チャングムの誓い』のあと、今更ながらの韓国ドラマブームが個人的にやってきて、『ファン・ジニ』というドラマを見始めた。
第5巻のDVDを借りようとレンタルビデオ屋に行ったらすべて貸し出し中だったために続きを見られずにいるのだけど、
これも『チャングム』に劣らず、すばらしいエンターテインメントだ。
主人公のファン・ジニは、「キーセン」という、芸者(宴席に呼ばれて芸を披露したり、請われれば体を売ったり)で、
この主人公が「強い女」として描かれている。
彼女の強さの根本にあるのは、「守るべき自分」がない、ということだ。
どんな権力者も、守るべき自分のない人間に勝つことはできない。
たとえ、そんな人間の命を奪ったとしても、それでは勝ったことにはならない。


もちろん、ドラマの中の、絵空事の話だ。だけど、そこには人間の本質についての洞察があると思う。
どんなちっぽけな場面においても、権力に屈するのは権力によって失うものを持っている人間だ。
そしてたいていの場合なら、それによって失うものなんてたかが知れている。
と、いうようなことを思ってなかったら、人間関係の政治的磁場のなかで、自分を見失ってしまいそうだ。
いつでも、すべてはどうだっていい。と思っていたい。命は惜しいけど。