たらたら神秘主義

本と映画と音楽と日常、できれば神秘

iPodが壊れてしまい、さっき修理を依頼した。
二度目である。
この前は、ネット上で修理を依頼した翌日には宅急便の人が回収に来てくれ、1週間ほどで修理が終わると送り届けてくれた。
とてもスマートなシステムが出来上がっていて、感心した。


カーナビも壊れていて、車を運転しての長い通勤時間をどう過ごせばいいのか、途方に暮れるような状況である。
しかし、ピンチをこそチャンスに変えることができる、という、意外に前向きな思考回路が働くので、
明日からの通勤時には、瞑想をするか(車を運転中に可能かどうかを試す)、何かテーマを決めて考え事をしようと思っている。


iPodでは、音楽以外にPodcastをよく聞いていた。
伊集院光のラジオでの独り語りの部分とか、
サイエンス・サイトーク』という、これも元はラジオ番組だと思うのだけど、
科学者などを呼んでインタビューする番組なんかがおもしろくて、
伊集院光のたとえ話が妄想過剰気味に膨らんでいって、際限もなくなる感じは天才的だ
とか、『サイエンス・サイトーク』でホスト役をしている日垣隆という人は、唐突に核心に迫る質問から始めてすごいなあ
とか、思いながら楽しく聴いていた。


充実していたと言えば、東京大学なんかがやっている、Podcastを使っての講義公開はすばらしい。
かなり単調な感じの教授のしゃべりも、大学を卒業してしばらく経っているし、車を運転しながらだし、
なかなかシブくていい、と思う余裕がある。
坂部恵というカント研究家の話なんかは、普通であれば強烈な催眠効果があるところだと思うのだけど、
車を運転しながらだと、すごくいい感じである。
中世の神学論争の話とか、これほど地味なテーマについて、読む、のではなく聴ける、というのが、ゾクゾクするほどだった。


坂部恵というおじさんと対照的に、かなり話し方が上手なのは(いや、坂部恵という人も、
あれはあれですごく味があってよいのだけど)、上野千鶴子だった。
遙洋子の『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』を読んで以来、その人物にも興味を持っていたのだが、
その本の中に描かれる上野千鶴子のきりっとした感じが、実感としてよく分かった。
間の取り方、説明する際の言葉の適切さ、歯切れの良さ、そしてフェミニズム思想について、あくまでも
身近な問題にひきつけながら語る講義に、引き込まれた。
フェミニズム思想という観点から、さまざまな問題や思想について整理されていく感じがとても気持ちがいい。