一青窈はすばらしい。人間として。
というほど何もしらないのだけど、テレビに出ている一青窈を見ると、なぜかこの人はすばらしい人だと思えてくる。
そして、ぼくも良く生きよう!という気持ちが湧き上がってくる。
良く生きるとは、道徳的に生きるということとは違う。
じゃあ何なんだろう。
ぼくは一青窈を見て、どんなふうに魅力的な人物を想像しているんだろう。
欲を捨てるということでもない。
高い理想を持っているということでもない。
うさんくさい言葉だけど、「誠実さ」は関係している気がする。
かといって、宮沢賢治の「雨ニモマケズ」みたいな生き方でもない。
んー。
と、言葉にしようとするとうまくいかない「良く生きる」という感覚が、一青窈を見ていると湧き上がってくる。
とても不思議だ。
生きるエネルギーみたいなものだろうか。
それともぼくの思い込みで、一青窈が魅力的な女だと感じているだけなんだろうか。
そういえば、一青窈が主演の映画『珈琲時光』もすばらしい映画で、侯孝賢という台湾の監督もいいのだけど、この中で一青窈が演じている人物がすごく魅力的なのだ。
映画はあまりにもたんたんと進んでいくので、ぼくは映画館でちょっと眠ってしまったくらいなのだけれども、それでもすばらしい。
というか、そのたんたんと主人公の日常を描いているところがこの映画のポイントで、見終わった後、すべての人間にかけがえのない日常の時間が流れているんだなあという感動が胸にせまってくる。
ぼくは今でも、どこかであの映画の主人公としての一青窈がこの瞬間も生きているような気持ちがして、何だかすくわれる。
映画を採点『珈琲時光』:★★★★★★
《観た映画を6段階の★で評価》
★☆☆☆☆☆……駄作
★★☆☆☆☆……ふつー
★★★☆☆☆……おもしろかった
★★★★☆☆……すごくおもしろかった
★★★★★☆……傑作
★★★★★★……傑作! 自分にとって特別な作品