ミユがいじめられているのを
うちらはざまみろと見ていた。
最近のミユはちょうし乗ってた。
うちらが席をとってお昼を食べずに待っていたのに
ヒロたちと売店に行っていつまでも帰ってこなくて、
あげくにヒロたちと一緒に食べるって。
学校から帰る途中できゅうに殺意におそわれて、
初めて入るちっちゃな神社で呪いの祈りをしてしまったくらい。
レブヒートというカクテルを、なんだか薄暗いお店でヤマちんが飲ませてくれて、わたしはぐでんぐでんに酔ってしまった。ミユがいじめられてざまみろという話をしたら、おまえさいてーだろとニヤニヤして言うから、わたしもにやにやしてサイテーだよ。常日頃の呪いが通じてよかったよ、と答えたんだ。でも夏休み明けにミユから、ヤマちんがヒロに、ミユを許してやってほしい、と話してくれたと聞いて、おどろいてしまった。そのうえ、それ以来ミユはヤマちんにときどきやらせてるって。遊びでもいいからって。
白い雪のうえに、白い服着た女たちが裸足のままで、輪になってる。そろりそろりと足を運びながらときおり中心にいる裸の女をムチ打つ。そのたび、女のあんという声がこもったようにひびく。いつかみんないなくなって、ひとり残された女の裸はミミズ腫れだらけで、だけどそれがすごくエロいんだ。うちはそのなかにはいなくって、それなのにうちの足跡が、いつまでもいつまでも消えないまま雪の上に残っているのを想像する。雪は永遠に降り続き、それでも足跡は消えないのだ。
次の朝、空は遠くまで透き通り、うちらのタマシイの中をすうすうと風が通っていった。もう秋だ。