たらたら神秘主義

本と映画と音楽と日常、できれば神秘

本屋で見かけて、つい買ってしまった。


ぼくにとって人生で唯一はまりまくった音楽がこの岡村靖幸の音楽で、
一般的にはあまり有名ではないが、
早熟な天才で、くろうと受けする人だといういうのは知っていた。
でも、おおくの「はまる」場合がそうなのだろうけど、
岡村靖幸は、当時大学生だったぼくが「個人的に発見」したのであって、
こうして今頃ユリイカで特集が組まれて、
いろいろな業界人が、実は岡村靖幸ファンだったと告白すると、
少し複雑な気持ちではある。


「発見」した経緯はあまり覚えてないけど、
天才的アルバム『家庭教師』に驚愕したのはたしかだ。
男のあえぎ声や変態性やカッコ悪さが逆転してかっこよさになってしまうあの感じ。
とにかく、ほかのかっこつけてるミュージシャンなんかかっこ悪いけど、
岡村靖幸だけは、むちゃくちゃかっこいいと、思っていた。


しばらくアルバムを出さず、
少し岡村靖幸熱も冷めかけたくらいにでたのが
『禁じられた生きがい』で、
まあ、かっこよかった。


その後、覚せい剤所持だかでつかまったり、スランプだったり、
その間にぼくも大人になっていたし、
岡村靖幸は青春の思い出になっていたころ、
2004年に10年ぶりくらいで出たアルバムが『Me-imi』。
変化を望んでしまっていたぼくにとっては、
何のおどろきもなかったという印象。
あいかわらず、だった。


この、「あいかわらず」をどう評価していいのか、
今でもよく分からない。
でも、このユリイカの「岡村靖幸」特集をパラパラめくっていると、
この大人になってなさ、はやっぱりかっこいい、と思った。


つまらねえ大人に、ぼくがなってしまっているのかもしれない。
と反省させられる。