たらたら神秘主義

本と映画と音楽と日常、できれば神秘

プラトンゴルギアス』(岩波文庫)を読んでいる。
プラトンを読むたびに、ほんとに紀元前の本かよ、と驚きながら読む。
すごくおもしろくて、哲学的エンターテインメントという方向性の本は現代でもたくさんあるけど、
哲学の祖といわれるプラトン(哲学の祖といわれるのはソクラテスだっけ?)がすでにエンターテインメントだ。


自信満々のゴルギアスに対して、ソクラテスが質問を重ねることでその矛盾点や底の浅さを暴露していく。
以前はソクラテスの論理はうさんくさいと思っていたのだけど、そう簡単には切り捨てられない(当たり前か)。
とにかくおもしろい。


それから、これもプラトンを読むたびに思うのだけど、どこまでがフィクションで、どこまでが本当にソクラテスが話したことなんだろう。
プラトンだかソクラテスだかの研究家は当然知っていることかもしれないけど、
録音技術もないのにソクラテスの話したことをすべて記録できたわけもなく、
かと言って、プラトンの著作の中でのソクラテスは現実のソクラテスというよりも、ほぼプラトンによるフィクショナルな存在である、
という言い方もぼくが知らないだけかもしれないけど読んだことがない。
本当のところどうなのだろう。

※『ゴルギアス』の解説にちゃんとプラトンの本に出てくるソクラテスがフィクショナルなものだということが書いてあった。考えてみたら当たり前だ。