自転車旅行主義 出発地は 幼い頃のぼくの家 父はまだ生きている ぐいとペダルをこぎ出すと なぜかゆがんだ青い空 あの道を右に曲がって 見慣れない路地を縫っていく 店先に座るおばさんの 人生だとか 食器の触れ合う 音だとか ここがここであることの 必然性…
兄弟 もしかしたら ぼくには遠くに兄弟がいて、 ぼくとは少しもかかわりのない人生を 生きているんじゃないのか。 近くにはゆたゆたと黒い河が流れていて、 兄弟は 赤く目を充血させた産婆によって 取り上げられる。 ぼくとは一生かかわることのない ひとり…
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