たらたら神秘主義

本と映画と音楽と日常、できれば神秘


日本語ヒップホップにはまっている。


いままで個人とかグループ単位でその音楽にはまることはあったけど、ジャンル全体に関心を持つようなことはなかった。
いや、なかったことはないか。クラシックとか、テクノ(エレクトロニカ)とかについて、勉強しようとがんばったことはあった。だけど結局全体像はさっぱりつかめないまま終わった。


今回はちょっと違う。
なぜ違うのか。根気のなさは今も昔も変りない。要因は、インターネットだ。テクノにはまった10年以上前には今ほどインターネットは普及していなかったから、それが大きく違う。
ネット検索で出てきたヒップホップのアーティスト名を片端からyoutubeで聴いてみる。よかったらCDを借りたり買ったり、itunesでダウンロードしたりする。


ジャンルの全体像に迫ろうとする場合の効率のよさがすばらしい。今までにない経験。ここ何日かで、あっという間に、思いがけなく広くて深い世界がぐんぐん広がった。もちろん、日本語ラップの全体像を把握した! まではぜんぜん行ってないし、そこまで突き詰める前にいくつか気に入ったアーティストを発見したということで満足する可能性が高いのだけど、現在進行形で楽しい。


で、現在の成果。


まずきっかけはラジオでDINARY DELTA FORCE の Stay Real Lives を聴いて、すごい!と思ったこと。
そう言えば、以前に日本のヒップホップの草分け、スチャダラパーにはまったことがあった。それからDRAGON ASHも(あれはヒップホップではない、という話だけど)、最初に聴いたとき衝撃を受けた。だから、ラップを求める要素は潜在的に自分の中にあったのだろうけど、久しぶりの衝撃だった。


すぐにYouTubeで確認。itunesストアで買おうと思ったら、ない。なんか、パソコンやMP-3で音楽を聴くことが嫌いみたいな歌詞だから当然なのかもしれないけど。で、AmazonでCDを注文する。


その後、前述のとおりの調査によって、ひとくちにヒップホップと言っても様々な方向性があることが分かってくるし、自分の好みも見えてくる。


ヒップホップといえばMCがおこなうラップなわけだけど、むしろ大事なのは「トラックメイカー」という音楽部分を作る人で、まあ作曲家なのだが、ヒップホップではサンプリングが基本なだから、むしろ音を作る人、という感じがする。DINARY DELTA FORCEのかっこよさの第一は、トラックメイカーのNAGMATICという人のおかげなんだろうと思う。それからもう一つは、妙に人を引きつけるRHYME BOYAという人のラップ。特徴的な声と発音。


だけど開拓していて面白かったのは、DINARY DELTA FORCEみたいな真正面からヒップホップという感じのものよりも、ちょっとすかした感じの音楽の存在だ。あたりまえだけど、ヒップホップといってもヤンキーだけじゃないのね、と思う。スチャダラパーもヤンキーじゃないか。


たとえば、tofubeats。あー。このtofubeatsのかっこよさだけで1200字はかけそうなんだけど、やめておく。


あるいは、SALU。この人はビジュアルがナルシス入っているので気持ち悪いのだけど、まあ、若いから仕方ないか。岡村靖幸だってナルシストだったし。だけど岡村靖幸みたいなユーモアがないんだよな。でも、才能は感じる。


それから、evisbeats。「いい時間」なんかは、ヒップホップというより、細野晴臣らのはっぴいえんどの影響を強く感じる。むかしは、はっぴいえんどのかっこよさをあまり良く分かってなかったけど、これを聴くとさかのぼる感じでかっこよさが身に染みる。


それから、TSUTAYAでその隣りのCDと間違えて偶然借りてしまったのだけど、OLIVE OIL。なんだ、このかっこよさは! 


と、いうような感じで開拓中。真正面ヒップホップは、少々うざい。かと言って、ポップスっぽい媚びのあるやつ(KICK THE CAN CREWとか)は、もっとうざい。すかした感じのかっこいいやつがもっとないか探している。