たらたら神秘主義

本と映画と音楽と日常、できれば神秘

忙しいのであまり本が読めない。昼休み、職場の廊下を歩きながらとか、小谷野敦『すばらしき愚民社会』(新潮文庫)を読んでいる。
とてもおもしろい。
いろいろな社会現象について、日本文学と日本史の知識を背景に大胆に意見を述べている。

この人の本は、『もてない男』にしても、この本にしても、「文は人なり」ということを思わせる。
結局、はったりで成り立つような評論(?)の分野で、この人は意外にも誠実で、そこが魅力なんだと思う。
当たり前だけど、誠実であるということは利己的視点からのみ世の中をみている人にはできない態度だ。
この人の持っているユーモアというのは、結局、自分という存在なんか大したことはない、という視点からでている。
そのおおらかさみたいなものが、この人は信用できると思わせる源だと思う。
この人はもし間違っていたら、ちゃんとごめんと謝りそうだ。